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初めての熊野古道 初心者におすすめの中辺路の歩き方
初心者におすすめの中辺路の歩き方
「熊野古道を歩いてみたい。でも、初めてなのでどこから歩けばいいのか分からない」
そんな方も多いのではないでしょうか。
熊野古道にはいくつものルートがありますが、初めて熊野古道を歩く方に私たちがおすすめしたいのが、中辺路(なかへち)を数日かけて歩き、熊野本宮大社を目指す旅です。
今回は、普段から熊野古道を歩く方々を迎えている私たちが、初心者の方におすすめしたい歩き方をご紹介します。
1日目|滝尻王子から高原へ

初日は、午前中に紀伊田辺方面から移動し、お昼前くらいに滝尻王子に到着するくらいの予定がおすすめです。
滝尻王子は、熊野古道・中辺路の山歩きが本格的に始まる場所。
ここからまずは高原(たかはら)を目指します。
最初から無理に長い距離を歩くのではなく、初日は比較的短い行程にして、熊野古道の山道に身体を慣らしていきましょう。
滝尻王子を出発すると、いよいよ熊野古道らしい山の中へ入っていきます。
舗装された観光地を歩くのとは違い、自分の足で一歩ずつ山道を進んでいきます。
最初の目的地、高原。 この高原の展望エリアから眺める山々の景色は本当に素晴らしいです。
ぜひその景観をお楽しみください。 そして初日は高原に宿泊し、ゆっくり身体を休めます。

2日目|高原から野中へ
翌日は高原から野中(のなか)を目指します。
1日目よりも長い一日になりますが、山や森、小さな集落など、中辺路らしい景色を楽しみながら歩くことができます。


熊野古道の魅力は、有名な観光スポットだけではありません。
山の中を歩き、森の匂いを感じ、鳥の声を聞き、ときには小さな集落を通り抜ける。
そんな時間そのものが熊野古道の旅だと思います。
そして野中に到着したら、しっかり食事をとって休みましょう。
翌日は、いよいよ熊野本宮大社を目指します。
3日目|野中から熊野本宮大社へ
私たち「古道の宿ひよどり」は、野中エリアの熊野古道沿いにあります。
ひよどりから熊野本宮大社までは、初心者の方には約8時間を目安にお伝えしています。
この日は今回の旅の中でも、しっかり歩く一日です。
朝食を食べ、ランチボックスを持って、熊野本宮大社を目指して出発します。
時間だけを見ると「8時間も歩くの?」と思うかもしれません。
ですが、急ぐ必要はありません。
熊野古道では、目的地に早く到着することだけが大切なのではなく、途中の風景や歴史、自然を感じながら歩くことも旅の大切な一部です。
3つの峠を越えます。特に「下り」に注意
野中から熊野本宮大社へ向かう道では、3つの峠を越えるため、アップダウンがあります。
ここで初心者の方に特に気をつけていただきたいのが、実は上りよりも下りです。
長時間歩いて疲れてくると、足の力も少しずつ弱くなってきます。
その状態で下り坂を歩くと、濡れた石や木の根、落ち葉などで足を滑らせることがあります。
実際に、疲れが出てきた頃の下りで滑ってしまう方もいます。
上りでは「頑張ろう」と意識するものですが、下りでは気が緩んでしまうことがあります。
疲れてきたときこそ、下りはゆっくりと。
時間に余裕を持って歩くことをおすすめします。
かつて人々が暮らしていた「道湯川」
この区間でぜひ感じていただきたい場所のひとつが、道湯川村(どうゆかわむら)のエリアです。
現在は静かな山の中ですが、かつてここには集落があり、人々の暮らしがありました。
道湯川村は昭和の初めに廃村となりました。
今、熊野古道を歩きながらこの場所を通ると、自然の中に残された人々の暮らしの痕跡から、熊野古道が単なる「トレッキングコース」ではなかったことを感じられます。
巡礼者が歩き、その道のそばで人々が暮らしてきた。
そんな歴史を想像しながら歩いてみてください。

山の中から突然見える大斎原の大鳥居
熊野本宮大社が近づいてきたら、ぜひ少し寄り道をしていただきたい場所があります。
そこからは、山々の向こうに大斎原(おおゆのはら)の大鳥居を眺めることができます。
長い時間、山の中を自分の足で歩いてきたあとに見る大鳥居。
車やバスで訪れたときとは、きっと違った景色に感じられると思います。
「あそこまで歩いてきたんだ」
そんな気持ちになる瞬間も、熊野古道を歩く旅ならではの体験です。

日本の山の美しさを感じてほしい
熊野古道には、歴史的な場所や有名な景色がたくさんあります。
でも私たちが皆さんに見ていただきたいものは、それだけではありません。
深い森。
山から流れる水。
苔むした石。
鳥の声。
季節によって変わる木々の色。
小さな生き物たち。
中辺路は本当に自然が豊かな場所です。
特に海外から来られた方には、熊野古道を歩くことで、都市や有名観光地とはまったく違う日本の山の素晴らしさを知っていただきたいと思っています。


初めてだからこそ、ゆっくり歩いてください
初めての熊野古道なら、
1日目 滝尻王子 → 高原(高原泊)
2日目 高原 → 野中(野中泊)
3日目 野中 → 熊野本宮大社
という歩き方を、私たちはおすすめします。
無理に一日で長い距離を歩く必要はありません。
ゆっくり歩いて、山を見て、森の音を聞いて、疲れたら休む。
そして宿に着いたら、しっかり食べて、しっかり眠る。
翌朝、また歩き始める。
そんな旅をしていただければと思います。
私たち古道の宿ひよどりでも、翌日の天候や道の状況、出発時間などについて、できる限り皆さんのトレッキングをサポートしています。
熊野古道を初めて歩く方にも、
「歩いてよかった」
と思っていただける旅になれば、私たちも嬉しく思います。
次回のコラムでは、熊野古道を歩くときに必要な持ち物を、季節ごとに詳しくご紹介します。
古道の宿ひよどり